私と彼が嘘をつく理由

寄り道をする気もなく
まっすぐ家に帰ると
もうすでに忍は家にいた。

「卒業おめでとう」

ソファでくつろぐ忍に
声をかけると、
相変わらずのキラキラスマイルで

「ありがとう」

と言った。
そして忍は手招きをして
私をソファの隣に
座るように促した。

「話すの久しぶりだね。」

「そうだね。」

久しぶりすぎて
口から心臓が出そうなくらい
ドキドキしてるよ。


< 106 / 134 >

この作品をシェア

pagetop