私と彼が嘘をつく理由
ある日、そんな私に
しびれを切らしたお母さんが
私をリビングへ呼んだ。
なぜか、お父さんも一緒。
少し重たい空気が
私たちを包んだ。
お母さんとお父さんは
なにやら決心したように
頷きあった。
「あのね、琴ちゃん。これから大事な話するわね。」
お母さんは、緊張しているのか
少し声が震えている。
「そうね、琴ちゃんが1才の頃かな」
思い出すように
ゆっくりとお母さんは話し始めた。