私と彼が嘘をつく理由
待たせたら悪いと
急いで準備して廊下に出ると
女の子に囲まれた忍。
しきりに話しかけれているようだが
嫌な顔一つしない。
さすがに見てるのが辛い。
あー、なんで同じ学校に
しちゃったんだろう、なんて
今更後悔した。
「じゃあ、琴、私帰るね?」
こんな状況に苦笑いしながら
みゆうは帰って行った。
人だかりは増す一方で
減る気配がちっとも感じられない。
「はあ・・・」
「あ、琴葉。」
忍は私に気づいて人ごみを
かきわけてでてきた。
女の子達の視線が痛い。
そんなの、かまわず忍は
私の手を引いて廊下を歩く。