私と彼が嘘をつく理由

「入るよ?」

忍だ。
顔が見られないように
扉に背を向けて返事をする。

「琴葉・・・なんかあった?」

忍はベットサイドに
腰を下ろして
いつもの優しい声でたずねる。


妹だけど、
こんなに好きなのに。

皆は努力次第で
何とかなるかも知れない。

なのに私は・・・。

そんなの出来ない、絶対。

せめて、登下校ぐらい
許してくれたっていいじゃない。


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