私と彼が嘘をつく理由

こんな細いのに
ちゃんと力強い。

「お兄ちゃん・・・。」

「ん?」

「なんでもない。」

忍の匂いと温もりに包まれる。

トクントクンと
一定のリズムを聞いていたら
眠くなってきた。

ゆっくりと目を閉じる。
そして、深い眠りへと
入っていった。

今日起きたことなんて
すっかり忘れていた。

完全に眠りにつく前
忍が私にとても小さな声で

「可愛い」

といってくれた気がした。





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