私と彼が嘘をつく理由
「おはよう。」
声を掛けても誰も返してくれない。
「ね、琴何かしたの?」
不安げな顔でみゆうが
話しかけてきた。
「うーん、ちょっとね。」
私に構うとみゆうまで
こうなっちゃうかも・・・
それは嫌だな。
そう思いながら席に着く。
鞄から教科書の類を取り出し
机の中にしまう。
「いっ・・・!」
痛みを感じ
机に入れた手を引き抜く。
すると、手の甲から
血がたらたらと流れていた。