私と彼が嘘をつく理由

「ううん、大丈夫」

きっと本当は大丈夫じゃない
って事くらい忍は気づいてる。

それでも言わない。

言いたくない。

「俺ね、琴葉のこと大事なんだよ。琴葉がいれば何もいらない。」

切ない顔で、
でもすごく優しい瞳で
私の事を見つめる。

「だから、怪我とかすると俺も辛い。」

そう言って抱きしめられる。

苦しいくらいにぎゅっと・・・。



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