私と彼が嘘をつく理由

「おい。」

さっきよりも低い声。

聞きなれないその声は
妹の私でもすごく怖い。

「忍は皆の王子様、抜け駆けなんて許せなかったの・・・」


香織の声は震えている。

「今までいじめてきた奴ら全員そうなのか。」

こくんと頷くと私の上履きを
ぽとんと落とした。

「妹だからって・・・ずるいのよ!」

そう香織は吐き捨て
走ってどっかにいってしまった。


< 51 / 134 >

この作品をシェア

pagetop