私と彼が嘘をつく理由

「それでねぇ・・・」
「あはは!それはさー・・・」
「昨日のあれがー・・・」

楽しそうな声が聞こえてきて
生徒達が登校してきたことを知る。

このままではマズイ。

おおごとになるのは避けたい。
私も・・・きっと、彼女も・・・。

「ちょっと、場所移そう・・・」

そう声を掛けても
全く動かない忍。

ただ、黙って涙を流している。

「お兄ちゃん・・・」

どんどんと近づいてくる
大きな声と足音。




< 53 / 134 >

この作品をシェア

pagetop