私と彼が嘘をつく理由
「ちょっと待ってよ。なにそれ、納得いかないんだけど。」
不満そうに口を挟むみゆう。
表情は明らかに怒っていて、
緩んだ空気が一瞬にして固まる。
「謝ればいいわけ?」
「ちょっと・・・みゆう・・・」
止めようとした私の手を振り払い
みゆうは続けた。
「謝ったところで、琴の傷は癒えないのよ!謝るくらいなら最初からやるな!」
目には涙を浮かべて、
叫ぶように言うと教室から出ていった。