私と彼が嘘をつく理由

ギィィィ・・・

ちょっと錆びた屋上の扉を押すと
やはりそこに、みゆうはいた。

「・・・ごめんね。余計なこと言って」

みゆうは振り返らず
空を見上げたまま言った。

そんな彼女の隣に立って
私も同じように空を見る。

白くハッキリと浮き出た雲が
青空を泳いでいる。

「全っ然。むしろ、ありがと!」

チラッとみゆうをみると
ちょっと照れたように笑って
ぐすっと鼻を鳴らしていた。


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