私と彼が嘘をつく理由
「コレ、お弁当。もう忘れないようにね?」
できる限り笑顔で、
お弁当を忍に手渡す。
涙が出そうだなんて
決して知られてはいけない。
「あら、琴葉ちゃん、こんにちは。あっ!お弁当!忍よかったね」
忍の後ろからヒョコッと顔を出した
小池は今までしてきたことを
全てが忘れたかのような笑顔で
話しかけてきた。
「うん、ありがとう。気を付けるね。」
そう言った忍は
いつものキラキラスマイルだけど
どこかぎこちなかった。