私と彼が嘘をつく理由

「うん…じゃあ」

楽しそうに笑う二人の姿に、
小池に向ける笑顔が
私に向ける笑顔と違うことに、
胸が苦しくて息が詰まる。

もう早く帰ろう。

そう思ってみゆうの手を引くが
びくともしない。

不思議に思いみゆうを見上げると
すごい怖い顔で二人を睨んでいた。

「ねえ…アンタ、何様のつもり?」

アンタと言われたことに
顔を歪める小池を余所に
みゆうは続けた。


< 80 / 134 >

この作品をシェア

pagetop