私と彼が嘘をつく理由
「あー、アンタは桐谷家を壊して楽しんでるわけね。でもそれって人としてどうなの?仲良かった家族をごたごたにした元凶が彼女面?ふざけんじゃねぇぞ。」
いつものみゆうの何倍もの迫力。
私が言われているわけじゃないのに
なぜか足がすくむ。
小池はなにも言わず
ただただみゆうをにらみ返していた。
「忍くんもよ。妹こんなに傷付けて、サイテーよ。サイテー。」
そうみゆうは吐き捨てると
涙がポロポロ溢れだす私の腕を引いて
早歩きで忍の教室を後にした。