私と彼が嘘をつく理由

急いで階段をかけ降りて
キッチンで洗い物をする
お母さんの元へ向かう。

「ねぇ…」

「んー?」

「お兄ちゃんK大なの…?」

食器を洗う手がピタッと止まる。

これを見て、これが真実だ
ということが明白になった。

「なんで…」

「先生が、言ってた。」

「そう」

お母さんは泡のついた手を
水で洗い流し、タオルで拭くと
私をソファまで連れていき
二人で腰をかけた。




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