叶多とあたし



「なのちゃん、足元大丈夫?」




なのちゃんは、まだ小さいから私が抱えて乗る形になった。




なので、足は宙ぶらりんになっている。





「へーき!!」



なのちゃんは嬉しそうに答えた。





なんか………




可愛いなあ………。




もし私に妹がいたらこんなかんじなんだろうなぁ。







………ふふっ。




ちょっと昔のこと思い出しちゃった…。





あれは、私が小学校低学年のころだったかな。



友達の家に行ったとき、当時その子には一歳の妹がいて…すっごい可愛くて、




家帰った後、妹がほしいってごねて………




私が妹がほしいって言ったとき、お母さん、お気に入りの食器落として割っちゃったんだっけな。







……なつかしい。





「ねんね、見て!」





いつの間にかメリーゴーランドは動いていた。






「なぁに?なのちゃん」





なのちゃんは、メリーゴーランドの中央にある柱についている鏡を見つめていた。






「なの、『しんでれら』みたい!」













………あ……………………。






一瞬、なのちゃんが本物の『シンデレラ』に見えた。








そして、また一つ昔のことを思い出してしまった。





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