叶多とあたし


「それにね」


短髪男がまた話し出した。



「叶多ってさ、なかなか表情を崩さないじゃないか?だから、サプライズをして叶多の驚いた顔が見たいんだ。俺たちは」



短髪男は、笑顔を崩さずに言う。





その言葉に驚いた。



そして、彼らは本当に叶多の友達だと確信した。だって、彼らは叶多のことを解ってる。




叶多が『表情を崩さない』のは“本当”だ。


それを崩したいと思う彼らの気持ちは、日芽にはよく理解できた。



共感できた。



なぜなら、日芽はその気持ちを何度も持ったことがあるからだ。







彼らに対しての不安も疑心も、もうない。




それよりも嬉しかった。




叶多の“友達”と関われることが。



< 41 / 67 >

この作品をシェア

pagetop