叶多とあたし
「偶然…?だね」
首を傾げた短髪男…いやま今は短髪じゃないか。
じゃあ。首を傾げた男が言う。
「久しぶり」
「…………」
「いつかは世話んなったね」
「…………」
「元気だった?」
「…………」
何も答えないあたし。
何かを答える余裕なんてなかった。
すると、彼はクスクス笑い出す。
そして
「また、遊ぼうか」
耳に顔を寄せて囁いた。
ぞわっとした。
腕を見ると鳥肌が立っている。
やめて…。
目の前が滲んだ。