あの子の隣に座るコツ!
コツその11「脱出!」
ザザザッ。
“おう、色男。今ドコよ?”
ユウ先輩が、心底楽しそうに声を届けてきた。
「2階の選択教室です。あの放送、先輩ですか」
“ご明察”
やっぱな。
なんだよ、ドラゴンアイズって。
中2か。
“お陰で降りてこれたでしょ?”
今度は啓一だ。楽しそうだな、お前も。
「1階にまだ警備員がうろうろしてるから、まだ動けないけどな」
「啓一くん?」
横からアリサが、俺の無線機に割り込んできた。
“あァ、泉さん”
「みんなそこにいるの?」
“うん、実働班はみんないるよ”
「ごめんね、アタシのせいで」
俺に謝れっ!
“いやいや。無事で良かった”
「とにかく、落ち着いたら脱出します」
アリサから無線機を取り返して、そう伝える。
“気をつけろよ、何かあったらまた連絡入れる”
ユウ先輩のそのセリフを最後にプツンと通信が途絶える。
「はぁ…」
力が抜けたように、アリサが座り込む。
それを見て、俺もふぅ、と、息をついた。
ユウ先輩の謎の放送のお陰で、テンパった警備員たちは残らず1階に降りて行った。
お陰で俺とアリサはなんとか2階までは降りてこられたんだが。
いかんせん騒ぎが大きくなりすぎたのか、1階の警備員たちがなかなか警備室に帰ってくれない。
それどころか、潜入経路の窓も押さえられてしまったようだ。
現状、俺たちには待機しか道が残されておらず、たまたま鍵の開いていた選択教室に身を潜めることになっている。
「このまま騒ぎが収まってくれるといいんだけど」
言葉の端々に疲れをちらつかせて、アリサがぼやいた。
「そうだなァ…」
教室の黒板の上に掛けてある時計を眺める。
午前1時。
そろそろ眠くなってきたな…。
無意識にポケットに手を入れる。
ガサリとテスト用紙が音をたてた。
あーあ。
結局テスト用紙を首尾よく奪還出来たのは何人だ?
多分、俺とアリサと…ユウ先輩くらいだろうか。
ユウ先輩は確認してないけど、なんか成功してる気がする。
しかし…5~6教科じゃあ秀才席はムリだろうな。
“おう、色男。今ドコよ?”
ユウ先輩が、心底楽しそうに声を届けてきた。
「2階の選択教室です。あの放送、先輩ですか」
“ご明察”
やっぱな。
なんだよ、ドラゴンアイズって。
中2か。
“お陰で降りてこれたでしょ?”
今度は啓一だ。楽しそうだな、お前も。
「1階にまだ警備員がうろうろしてるから、まだ動けないけどな」
「啓一くん?」
横からアリサが、俺の無線機に割り込んできた。
“あァ、泉さん”
「みんなそこにいるの?」
“うん、実働班はみんないるよ”
「ごめんね、アタシのせいで」
俺に謝れっ!
“いやいや。無事で良かった”
「とにかく、落ち着いたら脱出します」
アリサから無線機を取り返して、そう伝える。
“気をつけろよ、何かあったらまた連絡入れる”
ユウ先輩のそのセリフを最後にプツンと通信が途絶える。
「はぁ…」
力が抜けたように、アリサが座り込む。
それを見て、俺もふぅ、と、息をついた。
ユウ先輩の謎の放送のお陰で、テンパった警備員たちは残らず1階に降りて行った。
お陰で俺とアリサはなんとか2階までは降りてこられたんだが。
いかんせん騒ぎが大きくなりすぎたのか、1階の警備員たちがなかなか警備室に帰ってくれない。
それどころか、潜入経路の窓も押さえられてしまったようだ。
現状、俺たちには待機しか道が残されておらず、たまたま鍵の開いていた選択教室に身を潜めることになっている。
「このまま騒ぎが収まってくれるといいんだけど」
言葉の端々に疲れをちらつかせて、アリサがぼやいた。
「そうだなァ…」
教室の黒板の上に掛けてある時計を眺める。
午前1時。
そろそろ眠くなってきたな…。
無意識にポケットに手を入れる。
ガサリとテスト用紙が音をたてた。
あーあ。
結局テスト用紙を首尾よく奪還出来たのは何人だ?
多分、俺とアリサと…ユウ先輩くらいだろうか。
ユウ先輩は確認してないけど、なんか成功してる気がする。
しかし…5~6教科じゃあ秀才席はムリだろうな。