あの子の隣に座るコツ!
泉アリサの自慢の兄貴、
泉翔太。
顔もよくて。
勉強できて。
スポーツできて。
性格も良くて。
妹思いで。
そんな兄貴が、大好きだったアリサ。
アリサが俺を嫌うのは、そんな兄貴に、俺が似てるから。
俺を通して、兄貴が見えるから。
兄貴を思い出すから。
もう、いない兄貴を。
兄貴が、もういないことを、
思い出すから─?
「何か…悪い。変なこと聞いて」
「別に。あたしが勝手に言っただけだし」
もごもごと、呟くようにアリサが言った。
「…あたしは…兄貴にたまに会えるみたいで、ちょっと嬉しいし」
「…そうかい」
アリサの寂しさが、触れ合っている肌を通して、伝わって来た気がした。
何か、なんとかしてやりたい。
アリサは天敵だけど、クラスメイトだし、友達だ。なんとかしてやりたい。
「あー、アリサ?」
「…なによ」
「兄貴は、嬉しがってると思う。お前にそれだけ好かれて。兄貴は、多分お前に覚えてて欲しいと思ってるし、その…お前は辛いかもしれないけど、自分のこと思い出して欲しいと思ってると思う」
「そう、かな」
「うん。だから、たまには思い出せばいいと思う。俺を通して。それで辛くなったら俺を殴ればいい。蹴ればいい。相手してやる。俺は、ここにいるから」
アリサが顔を上げて、俺を見上げた。
「だから」
だから。
「だから、もう泣くな」
「…うん」
目をぐいっとこすって、アリサがコクリとうなずいた。
「…大吾」
「ん?」
「…ありがと」
「…ん」
やめろよ。
天敵だろうが、お前は。
「ユウ先輩来るまで…その…このままでいい?」
「あー…まァ…いいけど」
…まァ、アレだ。
仕方ない。
しばし休戦てヤツだな。
そんな顔されちゃなんも言えないよ、こっちは。
妹みたいな顔しやがって。
泉翔太。
顔もよくて。
勉強できて。
スポーツできて。
性格も良くて。
妹思いで。
そんな兄貴が、大好きだったアリサ。
アリサが俺を嫌うのは、そんな兄貴に、俺が似てるから。
俺を通して、兄貴が見えるから。
兄貴を思い出すから。
もう、いない兄貴を。
兄貴が、もういないことを、
思い出すから─?
「何か…悪い。変なこと聞いて」
「別に。あたしが勝手に言っただけだし」
もごもごと、呟くようにアリサが言った。
「…あたしは…兄貴にたまに会えるみたいで、ちょっと嬉しいし」
「…そうかい」
アリサの寂しさが、触れ合っている肌を通して、伝わって来た気がした。
何か、なんとかしてやりたい。
アリサは天敵だけど、クラスメイトだし、友達だ。なんとかしてやりたい。
「あー、アリサ?」
「…なによ」
「兄貴は、嬉しがってると思う。お前にそれだけ好かれて。兄貴は、多分お前に覚えてて欲しいと思ってるし、その…お前は辛いかもしれないけど、自分のこと思い出して欲しいと思ってると思う」
「そう、かな」
「うん。だから、たまには思い出せばいいと思う。俺を通して。それで辛くなったら俺を殴ればいい。蹴ればいい。相手してやる。俺は、ここにいるから」
アリサが顔を上げて、俺を見上げた。
「だから」
だから。
「だから、もう泣くな」
「…うん」
目をぐいっとこすって、アリサがコクリとうなずいた。
「…大吾」
「ん?」
「…ありがと」
「…ん」
やめろよ。
天敵だろうが、お前は。
「ユウ先輩来るまで…その…このままでいい?」
「あー…まァ…いいけど」
…まァ、アレだ。
仕方ない。
しばし休戦てヤツだな。
そんな顔されちゃなんも言えないよ、こっちは。
妹みたいな顔しやがって。