あの子の隣に座るコツ!
コツその12「あの子の隣に座るコツ!」
G…
F…
E…
D…
C組ぃ…っ。
そろそろそろっ、と、扉を開ける。担任の稲垣に見付からないように…。
「おはよう日比野」
「う…稲垣…先生」
もうバレてた。
「今日もいい天気だな、オイ?」
出席簿で頭をバシッと叩かれる。
「今日で連続何日だ?」
バシッ。
「先週のテストが終わってから?」
バシッ。
「木」
バシッ。
「金」
バシッ。
「今週の月曜?」
バシッ。
「火」
バシッ。
「そして」
バシッ。
「今日…ですね」
これは俺のセリフ。
「そうだな?」
バシッ。
「何か言うことないのか?」
バシッ。
「…おはようございます」
ゴツッ!!
「痛いっ!!」
あの野郎、出席簿タテで殴りやがった!
「1限に間に合ってるからいいじゃないですか…」
「素直に謝れんヤツは反省文20枚だ」
「すみません」
「よろしい。次はないぞ」
原稿用紙を2枚受け取って、自分の席に向かう。
教室の前の方を眺めると、3列目の上位席に啓一の姿。こっちを振り返って、小さく手を振っている。
さすが。成績が関わる時だけ頑張りやがる。
そこから何席か下位の位置に、アリサの後ろ姿。
ホントだ。
アイツが“バカ席”にいたのは、ホントにミスだったんだな。
日本史で回答ずらしたとか言ってたし。
「あー、そうだ。今日から席変わったから」
そうみたいだな。“最バカ”の俺の席は指定だけどね。
最後尾の廊下側が、“最バカ”の指定席。
つまり、俺の指定席で、
俺が“最バカ”で…、
あれ?
最後尾の廊下側の席には、同じバカ席仲間の湯川が座っていた。
「…え?は?湯川?」
湯川は俺の顔を見ると、恨めしそうに呟く。
「大吾…裏切ったなァ…?」
はい?
え?
ワケが分からん。
慌てて辺りを見回すと、
最後尾だが、窓際の席が2つ並んで空いていた。
…。
ワッツハップン…?
F…
E…
D…
C組ぃ…っ。
そろそろそろっ、と、扉を開ける。担任の稲垣に見付からないように…。
「おはよう日比野」
「う…稲垣…先生」
もうバレてた。
「今日もいい天気だな、オイ?」
出席簿で頭をバシッと叩かれる。
「今日で連続何日だ?」
バシッ。
「先週のテストが終わってから?」
バシッ。
「木」
バシッ。
「金」
バシッ。
「今週の月曜?」
バシッ。
「火」
バシッ。
「そして」
バシッ。
「今日…ですね」
これは俺のセリフ。
「そうだな?」
バシッ。
「何か言うことないのか?」
バシッ。
「…おはようございます」
ゴツッ!!
「痛いっ!!」
あの野郎、出席簿タテで殴りやがった!
「1限に間に合ってるからいいじゃないですか…」
「素直に謝れんヤツは反省文20枚だ」
「すみません」
「よろしい。次はないぞ」
原稿用紙を2枚受け取って、自分の席に向かう。
教室の前の方を眺めると、3列目の上位席に啓一の姿。こっちを振り返って、小さく手を振っている。
さすが。成績が関わる時だけ頑張りやがる。
そこから何席か下位の位置に、アリサの後ろ姿。
ホントだ。
アイツが“バカ席”にいたのは、ホントにミスだったんだな。
日本史で回答ずらしたとか言ってたし。
「あー、そうだ。今日から席変わったから」
そうみたいだな。“最バカ”の俺の席は指定だけどね。
最後尾の廊下側が、“最バカ”の指定席。
つまり、俺の指定席で、
俺が“最バカ”で…、
あれ?
最後尾の廊下側の席には、同じバカ席仲間の湯川が座っていた。
「…え?は?湯川?」
湯川は俺の顔を見ると、恨めしそうに呟く。
「大吾…裏切ったなァ…?」
はい?
え?
ワケが分からん。
慌てて辺りを見回すと、
最後尾だが、窓際の席が2つ並んで空いていた。
…。
ワッツハップン…?