あの子の隣に座るコツ!
「…2年C組、東條(トウジョウ)さゆみです」
少し間を置いて、抑揚の少ない声で東條さんが呟いた。
「ん?」
と、ユウ先輩が何かに気付いたような声を出した。
「日比野、同じクラスじゃないか。知らなかったのか?」
そうなのだ。俺もそう思った。こんな美少女クラスにいたか?どこかで見たような気はするのだけど。
それに、東條さんもちょっと驚いてたし。彼女も俺が同じクラスってことに気付いてなかったのかな。
「あー、そっか」
啓一が、ポンっと自分の手のひらを叩いた。
「東條さん、大吾のことあんまり見たことないよね。大吾は“最バカ”だから」
あ。
話が見えてきたゾ。
「東條さん、“クラス首席”だもん。教室で一番席が離れてるんだ」
『あァ…』
俺を除く部員全員の、納得の声が見事にユニゾンした。
「『あァ…』じゃないでしょ!そんな憐れみの目で俺を見るんじゃない!」
「…あァ」
って東條さんまで納得しちゃってるし!
「ま、お互い知らなかったなら、今日知り合えたのも何かの縁だ。麻雀に興味なくても、暇だったら来るといい」
ユウ先輩がそう言って、東條さんに何か小さな容器のようなものを投げた。
東條さん、キャッチ。
「あーっ!ソレは!」
ユウキちゃん、シャウト。
「…プリン?」
東條さん、クエスチョン(当然か)。
「購買の余りだ。買いすぎちまってな」
ユウキちゃんにもさっきあげてたけど。この人はいつもプリンを何個買ってるんだ?エサかな。ユウキちゃん用の。
「なんか失礼なこと考えてるでしょ、大吾先輩」
「いや別に」
一方、プリンの容器をじっと見つめていた東條さんだが、ペコリと頭を下げて、扉へ向かった。
「また来てくれ」
もう一度ユウ先輩が言った。だが東條さんは一瞬足を止めただけで、今度は振り返らずに教室を出ていってしまった。
少し間を置いて、抑揚の少ない声で東條さんが呟いた。
「ん?」
と、ユウ先輩が何かに気付いたような声を出した。
「日比野、同じクラスじゃないか。知らなかったのか?」
そうなのだ。俺もそう思った。こんな美少女クラスにいたか?どこかで見たような気はするのだけど。
それに、東條さんもちょっと驚いてたし。彼女も俺が同じクラスってことに気付いてなかったのかな。
「あー、そっか」
啓一が、ポンっと自分の手のひらを叩いた。
「東條さん、大吾のことあんまり見たことないよね。大吾は“最バカ”だから」
あ。
話が見えてきたゾ。
「東條さん、“クラス首席”だもん。教室で一番席が離れてるんだ」
『あァ…』
俺を除く部員全員の、納得の声が見事にユニゾンした。
「『あァ…』じゃないでしょ!そんな憐れみの目で俺を見るんじゃない!」
「…あァ」
って東條さんまで納得しちゃってるし!
「ま、お互い知らなかったなら、今日知り合えたのも何かの縁だ。麻雀に興味なくても、暇だったら来るといい」
ユウ先輩がそう言って、東條さんに何か小さな容器のようなものを投げた。
東條さん、キャッチ。
「あーっ!ソレは!」
ユウキちゃん、シャウト。
「…プリン?」
東條さん、クエスチョン(当然か)。
「購買の余りだ。買いすぎちまってな」
ユウキちゃんにもさっきあげてたけど。この人はいつもプリンを何個買ってるんだ?エサかな。ユウキちゃん用の。
「なんか失礼なこと考えてるでしょ、大吾先輩」
「いや別に」
一方、プリンの容器をじっと見つめていた東條さんだが、ペコリと頭を下げて、扉へ向かった。
「また来てくれ」
もう一度ユウ先輩が言った。だが東條さんは一瞬足を止めただけで、今度は振り返らずに教室を出ていってしまった。