あの子の隣に座るコツ!
昇降口を抜けて靴を履き替えた“最バカ”と“クラス首席”は、前後の距離を律儀に保ったまま、校門まで歩を進める。
東條さんの驚異的な無口キャラにもようやく慣れて、気まずさも薄らいできていた。
「家はどの辺?」
「…飯田が丘」
「駅前まで送ろうか」
「…いい」
「…だ、がおか?」
「……」
冗談が通じないっていうのも問題かもしれない。ユーモアは会話の上で重要なツールだ。
しょうもなさすぎてスルーされただけかもしれないけど。
「俺、家近いし構わないよ。ホラ、もう日も暮れるし」
「…いつもひとり。大丈夫」
やっぱりちょっと警戒されてるな。あんまりしつこく誘って嫌がられるのもバカらしい。
「そっか。大丈夫なら良いんだけどね」
「…ごめんなさい」
「イヤ、気にしないで」
風に飛ばされそうなか細い声に返事をすると、ようやく校門が見えてきた。
俺の家は校門を出て右。最寄り駅は左だ。
「じゃあ、気をつけて」
俺がそう言うと、東條さんは小さくコクリと頷いて、左手に伸びる下り坂をトコトコと下って行った。
東條さんの驚異的な無口キャラにもようやく慣れて、気まずさも薄らいできていた。
「家はどの辺?」
「…飯田が丘」
「駅前まで送ろうか」
「…いい」
「…だ、がおか?」
「……」
冗談が通じないっていうのも問題かもしれない。ユーモアは会話の上で重要なツールだ。
しょうもなさすぎてスルーされただけかもしれないけど。
「俺、家近いし構わないよ。ホラ、もう日も暮れるし」
「…いつもひとり。大丈夫」
やっぱりちょっと警戒されてるな。あんまりしつこく誘って嫌がられるのもバカらしい。
「そっか。大丈夫なら良いんだけどね」
「…ごめんなさい」
「イヤ、気にしないで」
風に飛ばされそうなか細い声に返事をすると、ようやく校門が見えてきた。
俺の家は校門を出て右。最寄り駅は左だ。
「じゃあ、気をつけて」
俺がそう言うと、東條さんは小さくコクリと頷いて、左手に伸びる下り坂をトコトコと下って行った。