あの子の隣に座るコツ!
「なァ…悠一。これって、お前に勉強教えてもらわなくても、このミッションで3年の問題を奪っちゃえばいいんじゃないか?」



タケシ先輩が黒板を指差して質問した。



「いい質問だ。しかし、今回は2年の問題用紙だ。野球で大学行くにしろ、受験がある以上は3年になったら自分で勉強した方が良いぞ」



正しいのか間違ってるのか分からん意見だな。一理あると言えばあるけど。



ていうか、今回のミッション、進とかは気が進まないんじゃないか?不正とか許せないタイプだし。



そんな俺の懸念をよそに、メンバーが決まっていく。



「野球部連中は…実動班でいいか?やっぱり体力勝負になるだろうし、逃げ足も重要になってくる」



「そうですね」

「タケシ先輩がやるなら」

「自分ら、先輩と一心同体スからっ」



井上、尾崎、水谷は、相当タケシ先輩に惚れ込んでるようだ。普段暑苦しくて仕方ないタケシ先輩も、練習のときはさぞかしカッコいいんだろうな。



「新立は?ていうか、言い忘れたが参加不参加は自由だからな」



思わず俺は、進の顔を見た。


「…ん?なんだよ、大吾」

「あ、いや、別に」


「やるに決まってるでしょ。仲間外れなんてまっぴらですから。俺は指令班で」


進はめんどくさそうな声色で返答を寄越したが、やる気はあるようだった。


おかしいな。
こんなコト、進なら怒り狂って反対しそうなんだケド。
< 59 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop