あの子の隣に座るコツ!
コツその10「潜入!後編」
普通の高校の体育館にひけをとらないほど、広い広い職員室のフロア。
100をゆうに超える、ものすごい量の机から、お目当ての先生の机を捜索する。
教室には非常灯がないから、各自携帯電話のライトや、持参してきた小さな懐中電灯を使うことになっているが、いかんせん広い。
「思ってたよりずっと難しいんじゃないか?これ…」
教室入り口の座席表はちゃんと確認した上で探してるんだが…。このあたりのはずなんだけどなァ。
「あったか、大吾?」
いくつか隣の列を歩くユウ先輩が尋ねてきた。先輩もまだ見つかってないみたいだな。
「まだです。机すら見つかりませんね」
「他のみんなもそうみたいだ。そろそろ警備員たちも動き出す。急がなきゃな」
そう言って、ユウ先輩は再び机探しに戻った。
辺りをぐるりと見回すと、遠くでポツリ、ポツリと実動班の人影が動くのが見える。それほど広い。そして暗い。時間もない。
「とにかく探さなきゃな…現国が浅井さんで、古典が岩田さん…アサイ…イワタ…」
ん?
おっ…。
あ、あった!
“浅井”と書いたプレートが、整然と片付けられた机の上に置いてある。
間違いない。2年の現国担当の浅井先生の机だ。
しかも。
なんか分厚い封筒がそのまんま机の上に置いてある!!
「こ、こちら大吾。現国のテスト用紙らしきものを確認しました」
無線機で全員に通信する。
「えっ!」
「マジか!」
「やった!」
数メートル離れたところで3兄弟が反応した。
“こちら啓一。ひとまず用紙を確認して”
言われるままに、ライトで封筒を照らす。
“期末考査・現代国語・担当・浅井”
ビンゴ。
「間違いない。テスト用紙だ」
“オッケー。分かってると思うけど、取り出すのは1人分だけだよ。たくさん盗むとバレちゃうからね”
「おう」
幸い封筒がのり付けされていることもなく、スルリとテスト用紙を2枚1組、簡単に取り出せた。もう一度ライトで照らして確認するが、間違いなく現国のテストだ。
「ラッキー。この調子で岩田さんの古典も…お?あれ?」
浅井さんの隣の机の上にも、同じように分厚い封筒が。
まさかとは思うが。
プレートを確認。
“岩田”
うわぁ…。
ラッキー。
100をゆうに超える、ものすごい量の机から、お目当ての先生の机を捜索する。
教室には非常灯がないから、各自携帯電話のライトや、持参してきた小さな懐中電灯を使うことになっているが、いかんせん広い。
「思ってたよりずっと難しいんじゃないか?これ…」
教室入り口の座席表はちゃんと確認した上で探してるんだが…。このあたりのはずなんだけどなァ。
「あったか、大吾?」
いくつか隣の列を歩くユウ先輩が尋ねてきた。先輩もまだ見つかってないみたいだな。
「まだです。机すら見つかりませんね」
「他のみんなもそうみたいだ。そろそろ警備員たちも動き出す。急がなきゃな」
そう言って、ユウ先輩は再び机探しに戻った。
辺りをぐるりと見回すと、遠くでポツリ、ポツリと実動班の人影が動くのが見える。それほど広い。そして暗い。時間もない。
「とにかく探さなきゃな…現国が浅井さんで、古典が岩田さん…アサイ…イワタ…」
ん?
おっ…。
あ、あった!
“浅井”と書いたプレートが、整然と片付けられた机の上に置いてある。
間違いない。2年の現国担当の浅井先生の机だ。
しかも。
なんか分厚い封筒がそのまんま机の上に置いてある!!
「こ、こちら大吾。現国のテスト用紙らしきものを確認しました」
無線機で全員に通信する。
「えっ!」
「マジか!」
「やった!」
数メートル離れたところで3兄弟が反応した。
“こちら啓一。ひとまず用紙を確認して”
言われるままに、ライトで封筒を照らす。
“期末考査・現代国語・担当・浅井”
ビンゴ。
「間違いない。テスト用紙だ」
“オッケー。分かってると思うけど、取り出すのは1人分だけだよ。たくさん盗むとバレちゃうからね”
「おう」
幸い封筒がのり付けされていることもなく、スルリとテスト用紙を2枚1組、簡単に取り出せた。もう一度ライトで照らして確認するが、間違いなく現国のテストだ。
「ラッキー。この調子で岩田さんの古典も…お?あれ?」
浅井さんの隣の机の上にも、同じように分厚い封筒が。
まさかとは思うが。
プレートを確認。
“岩田”
うわぁ…。
ラッキー。