ヤサオトコ

 あくる日の朝が来た。
 栗崎は会社に行くのが憂鬱だった。


 会社に出れば、また課長の田原にいびられる。
 栗崎は毛布を顔まで被り、ベッドの上でもがいていた。


 課長の田原は、女子社員の視線が集まると、執拗にいびり出す。
 自分に恥を掻かせ、女子社員達の反応を楽しんでいるようだ。


 想像するだけでも、身震いがする。


 「嫌だ!」


 「絶対に嫌だ!」


 栗崎は顔を左右に振り大声を発した。






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