ヤサオトコ

 その時、栗崎の携帯電話に一通のメールが入った。




 栗崎君へ。


 707号室を取ったわ。
 外は寒いでしょう。私が温めてあげるわ。早くお帰り。



 沙幸




 栗崎はメールに目を通すと、ホテルに戻った。
 エレベーターに乗り、707号室へ。


 ドアの下にメモを入れ、その上に栗崎は征中丸を置いた。
 そのメモは、フロントのカウンターの隅で急いで書いた物だった。




 橋爪部長へ



 急にお腹の具合が悪くなりました。
 急いで帰宅します。
 失礼をお許し下さい。
   
          栗崎





 メモを残すと、栗崎はフロントで伝言を頼んだ。







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