ヤサオトコ


 栗崎は営業部の入り口から、遠目に自分の机を見た。
 机の上は、予想通りプレゼントの山。


 「勘弁してよ」


 栗崎はプレゼントを呪いたい気持ちだった。


 「畜生!こんな日、地球上から、消滅すればいいのに」


 文句をぶつぶつ言いながら、栗崎が自分の席に戻った。
 処分用の紙袋が、数枚、机の引き出しに入れてある。


 栗崎はそれを腹立たしい思いで取り出した。
 そして、プレゼントを紙袋の中に押し込み始めた。


 そこへ、課長の田原が現れた。


(こんな時には、決まって出現しやがる。ハラグロザウルスめが。また、いびりたいのか。この変態怪獣)


 栗崎が、心の中で田原を思い切り罵った。




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