ヤサオトコ


 ホーム食品の会議室。


 栗崎は部長の橋爪沙幸を待っていた。
 沙幸が現れた。


 「今日はバレンタインデー。たくさんチョコレートを貰ったのでしょう」


 沙幸が微笑みながら嫌味を言った。


 「えっ、まあ」
 「あれだけ抗議運動の参加者がいる訳だから、仕方ないわね。本当に憎らしいわね」


 沙幸は栗崎の反応を見ている。


 「私はチョコレートなんか上げないからね」
 「・・・」


 (今日は、何の用事だろうか)


 栗崎は、橋爪部長の真意を計り兼ねていた。






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