ヤサオトコ
栗崎は冴えない表情で社に戻った。
橋爪部長の申し出を断った。
後悔は無かったが、先を考えると、栗崎は憂鬱だった。
それに、プレゼントの処分。
考えるだけで、栗崎は気が重かった。
終業時間になった。
気の遠くなるような長い時間が、やっと終わった。
沈む気持ちを奮い立たせ、栗崎が会議室に入った。
テーブルの上には、プレゼントの数々。
(見たくもない。反吐が出そうだ)
その思いに、栗崎はじっと耐えた。
気を取り直して栗崎は、チョコレートとその他の品を大雑把に分類した。
チョコレートは地下街のゴミ箱に捨てる予定。
ネクタイ、マフラー、手袋、商品券・・・。
それらは、どう処分するか、栗崎は追々考えるつもりでいた。