ヤサオトコ
三人は写真撮影を終え、無事、家に帰った。
その夜。
二階では、二人が野乃絵を待っていた。
野乃絵が二階に上がって来た。
「いつまで、ここにおるつもりや」
房江が口を開いた。
「いつまでって」
野乃絵が房江に尋ねた。
「うちらは、新婚や。一人で暮らしてんか」
「急に、そんな事言われても」
「ここは、二間しかあれへん。あんたは、マンションでも借りよし」
「嫌やし。私は結婚するまでは、ここを出るつもりはないからね」
「頼むから、出てえな」
房江が野乃絵に両手を合わせて拝み倒した。
「嫌。絶対に嫌」
野乃絵は家を出る事を、断固 拒否をした。
こんな言い争いの末、三人の奇妙な同居生活が始まった。
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