ヤサオトコ

 栗崎は肉の上に、砂糖、醤油、日本酒を掛けた。


 ジュジュジュジュジュ。


 いい香りが鼻をくすぐる。
 さらに、白菜、ねぎ、こんにゃく、焼き豆腐、春菊を入れる。


 その上に、砂糖、醤油、日本酒を掛けて味を調える。
 ぐつぐつ煮上がれば、出来上がり。


 「味はどうかな」
 「頂くわ。どんな味がするか楽しみ」


 絢奈が口の中に肉を放り込んだ。


 「うわあ。おいしい!こんなおいしいすき焼き食べるの、生まれて初めて」


 絢奈が、栗崎が作ったすき焼きの味を絶賛した。


 「どうれ」


 栗崎も、肉を摘んだ。


 「うまい。我ながら、良く出来ている」


 栗崎が肉に続いて、ビールを口に流し込んだ。
 冷えたビールが、5臓六腑に染み渡る。






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