ヤサオトコ

 二人は弁当を持って帰り、ビルの空き室で賞味期限切れの弁当を頬張った。


 こんな生活が続いた3日後、思わぬ事態が起こった。
 その日も、二人はビルの空き室で、賞味期限の切れた弁当に舌鼓を打っていた。


 栗崎がダンボール紙の上で寝ていると、お腹がしくしくと痛み出した。その痛みは、だんだんと激しくなり、ついには我慢出来なくなった。


 この痛みは、つい先日まで苦しめられていた例の痛みとは違う。痛みが鋭いというか、キツイというか、異質の痛みだ。


 「いたたたたっ・・・」


 我慢出来なくなって、栗崎は飛び起きた。そして、お腹を手で押さえながらトイレに駆け込んだ。


 急いで洋式の便器に座る。
 同時に、勢い良く茶色の液体が、しぶきと音を立てて激しく散るように出た。







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