ヤサオトコ
8話 運命の勘違い
3ヵ月後。
栗崎と郁は、淀川大橋の下のダンボールハウスで暮らしていた。
ビルの空き室の入居者が決まり、それからは、転々とビルをさ迷っていた。が、ふとしたことから、つい最近、ここで暮らすようになった。
住み慣れて見ると、ダンボールハウスも、気楽で住み心地もまあまあだった。
栗崎は空き缶を集め、自動販売機の下の人が落としたお金を拾い小銭を稼いでいた。
今日も早朝、川岸に捨てられていた愛用の自転車で、淀川大橋から、阪神福島駅に掛けて自動販売機を回っていた。