ヤサオトコ

 質のいいもので身を包む。
 モノを売るのも、人間を売り込むのも、所詮は同じ事。


 広告代理店で培ったノウハウを、栗崎は自分で当てはめるつもりでいた。


 ダンボール紙で出来た自宅に戻ると、栗崎は丹念に履歴書を書き込んだ。
 郁は栗崎の変わりようを見て、目を丸くしていた。


 栗崎は、郁には何も言わなかった。そんな訳で、郁には、栗崎の心の動きが、よく摑めなかった。


 その日の夕方から、栗崎は就活を開始。
 まず、北にあるネット喫茶に出向き、情報を入手する事から始めた。


 ネット喫茶のオープン席に座り、パソコンを起動する。


 栗崎はインターネットをクリックすると、大阪のホストクラブを検索。
 画面に大阪のホストクラブが、ずらり姿を現した。






 
< 285 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop