ヤサオトコ
質のいいもので身を包む。
モノを売るのも、人間を売り込むのも、所詮は同じ事。
広告代理店で培ったノウハウを、栗崎は自分で当てはめるつもりでいた。
ダンボール紙で出来た自宅に戻ると、栗崎は丹念に履歴書を書き込んだ。
郁は栗崎の変わりようを見て、目を丸くしていた。
栗崎は、郁には何も言わなかった。そんな訳で、郁には、栗崎の心の動きが、よく摑めなかった。
その日の夕方から、栗崎は就活を開始。
まず、北にあるネット喫茶に出向き、情報を入手する事から始めた。
ネット喫茶のオープン席に座り、パソコンを起動する。
栗崎はインターネットをクリックすると、大阪のホストクラブを検索。
画面に大阪のホストクラブが、ずらり姿を現した。