ヤサオトコ

 栗崎は絢奈の視線を背中に感じていた。
 が、料理を続ける事で、気にしないようにしていた。


 白いボールにひき肉、塩、胡椒、玉ねぎ、パン粉を入れる。
 次に、卵を加えると、それを粘りが出るまで混ぜる。


 栗崎はボールの中身を粘りが出るまで混ぜていた。


 その時、顔が痒くなった。


 (やべぇ)


 栗崎はひき肉の付いた手で顔を擦った。


 「あら、あら、どうなさったの」


 絢奈が栗崎の異変に気が付いた。






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