ヤサオトコ
3話 氷の誘惑
同僚の小倉は、栗崎のロッカーに手を掛けた。
カチャッ。
鍵は掛かっていない。
小倉はロッカーを開け、中に目をやった。
「これかな」
新聞紙の下に大きな紙袋がある。
小倉は新聞紙を取り、袋の中を覗いた。
「あっ、あった!やっぱり、俺の思っていた通りだ」
紙袋の中には、紙おむつが10枚以上入っている。
小倉はそこから、紙おむつを一枚抜き出した。
「かっこわりぃ」
「大の男がこんな物穿くか。絶対に穿かないよな」
おむつを広げながら、小倉が呟いた。