ヤサオトコ


 「畜生!どいつもこいつも、俺をコケにしやがって・・・」


 栗崎は泣きたい心境だった。


 「舐めるなよ」


 酒を飲むほどに、栗崎は愚痴を吐き出した。
 吐いても、吐いても、心からへどろが出た。



 「俺をちくりやがって・・・。糞ったれが・・・」


 「あのサディストが・・・。覚えていろ」


 「なぜ、女を部長になんかに・・・さっさと結婚しやがれ」




 「馬鹿野郎!」



 栗崎は酒を飲んでは、同僚や上司、得意先を罵った。
 








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