ヤサオトコ

 焼き鳥が運ばれて来た。
 3杯目の冷を飲んでいる栗崎の所へ。


 栗崎が焼き鳥をひと口頬張った時、不意に涙が頬を伝って流れた。



 「イケメンなんかに生みやがって・・・」


 涙は大粒に。



 「イケメンなんかに・・・」



 栗崎の頬から、大粒の涙がぽろぽろ滴り落ちた。



 「醜男の方が・・・醜男の方が・・・」



 「ずっと・・・ずっと・・・良かった」


 「畜生!・・・うううっうう・・・」



 泣いても、泣いても、涙が止まらない。
 栗崎は泣くだけ泣くと、居酒屋を出た。








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