覚悟しな生徒会諸君!!!


どかどかと廊下から足音が
聞こえる



リビングに置いてあるダンボールの
持ち主がやってきたのだろう


生徒会のメンバーも俺と同室に
なるやつを見たいらしく


廊下に目を向けている




どすどすどすー…



リビングの入口で止まった転入生を
見て驚いた



今までこんな綺麗なやつは
見たことがなかったから


たぶん生徒会のメンバーよりも
美しい容姿をしているだろう


俺と同じ金髪…いや、俺より透明に近い


圧倒的なオーラを発している人物



その異常に整った顔を固めている
その様子はまるで人形のようだ



生徒会のメンバーも同じく
固まっている



変な光景だな



すると、固まっていた転入生椿咲哉が
口を開いた



「…えっと~誰ッすか??」



なんとも気の抜けた言葉に一瞬目を見開く


…なんだこいつは?



こんなことを思っていたら隣に
座っていたはずのランが椿咲哉に
突進していった



…あれが直撃したらヤバイだろう



あれを受けたとき、一瞬息が止まった。



椿咲哉を少し憐れみながらも
その様子を傍観していた


しかし、突進が直撃することは
なかった



椿咲哉が見事に避けたのだ


ランは避けられたことに腹を
立てている様子だ



それをジッと見ていた椿咲哉は
なにかヒラメいたという感じで



「もしかして、君がランちゃん??」



…なんでこいつがランの事を
知っているんだ?



ランは肯定の言葉と俺と同室者ということを
話した



転入生はずっとニコニコ明るく
笑っていたが、


一瞬表情が固まった気がする


あくまで、気がする だ。



ランに冗談か聞き、否定されると
それ以上なにも聞かなかった


少し経つと、ダンボールを持ち
俺たちに断りをいれて部屋に
向かおうとした



「おいっ、」



咄嗟に声をかけてしまった


スミレ色の深い瞳が俺に向けられる



「その目本物??」



声をかけたのは俺のはずなのに
あっちから質問してきた


しかも、結構どうでもいい質問を。


どーでもいい質問を返す気はない



無視をしたら


あまり気にしてないようにまた
足を部屋に向けた



「お前が椿咲哉か?」


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