不思議な国の物語
その日の放課後
桃華は数学の先生に呼び出され
こってり叱られた。
「はぁ───…頭いたい」
桃華は片手で頭を
さすりながら通学路をノロノロと歩く
「桃華が居眠りなんかするからじゃん」
そんな斜め前を
呆れた顔で歩く美月。
「だってぇ~」
「だってぇ~じゃない!」
数学嫌いなんだもん……
あーあ。
数学がない世界に行きたいよ…
「ってかさ、桃華どんな夢見てたの?」
「えっな、なんで?」
「いやー、なんな顔が百面相だったから」
「ひゃ、ひゃくめんそう?」
「そっ嬉しそうな顔だったり苦しそうな顔だったり」
あー、先生の説教ですっかり
忘れてた………。