不思議な国の物語
「さっきぶり」
「魁焔に会うのは昨日ぶりよ」
彼の名は、かいえん。
この夢に必ず出てくる
同い年くらいの男の子。
でも、彼はきっと人ではない。
「桃華の世界とは時間の進みが違うんだよ」
そぅか細く笑いながら彼は
川を渡って近寄ってくる。
宙に浮きながら。
やっぱりね。
彼は人間じゃないんだ。
「魁焔はいつもここにいるの?」
「まぁね。何で?」
月と河と星
それ以外見えるものは何もない。
「暇じゃないのかなって思って」