不思議な国の物語


そぅ答えると
魁焔は桃華の目の前まで来て


「桃華がいるから平気だ」


と、優しく微笑みながら桃華の
手を取り歩き出した。



魁焔の手、あったかい。


魁焔が夢に出るようになったのは
ちょうど、私が16歳の誕生日を
迎えたときから。


それも毎晩。


2日続けて見た日には驚いたけど
だんだんと慣れてきて今ではこんな
状況。


「ねぇ、魁焔」


「ん?」



「あなたは、なに?」



「また、その質問か」


魁焔にこの質問をするのは
これで、何回目だろう。


「だって、魁焔ちっとも自分の事話さないし!」


「名前、教えたよ」


「なっ…名前なら、私だって教えたし」


名前以外のことを聞こうとしたら
必ずはぐらかされる。


< 4 / 28 >

この作品をシェア

pagetop