【E】指切りの約束【完】
「じゃあさ、こういうのはどう?」
「んー?」
「ずっと友達でいること」
「そんなの当たり前でしょ?」
「まぁなっ」
軽く笑って腰に手を当てるキミ
「ちゃんとしたの考えよ?」
「えー…じゃあ、」
「うん」
「結花はずっと、俺だけを頼ること」
「…うん?」
「俺だけに相談して。……もう、泣かせたりしないから」
さっきまでの軽い表情はどこへやら
キミは私の手を握る
その傷だらけの手で
私の痣だらけの手を
優しく、優しく握る
「…わかった、いいよ」
あの日の約束は
いまもまだ忘れてないよ