オレと子どもの12日間


「…あれ?覚えてないの?ゆうきのこと。私のいとこで、小学生のとき1度優
斗くんとも会ったんだけど。」

「え、そうだっけか。」

全く覚えていない。小学生の頃の記憶というのはなんとも儚い。

「あ、私の実習が終わったら、また家に遊びに来るの。会ったらわかるよ、たぶん。」

そうだといいが…。

「あれ、もうこんな時間。」

時計を見ると、もう12時を過ぎていた。

「明日、朝早いんだし寝なくちゃね!6時半に目覚ましかけておいて!」

そう言うと、立川さんは部屋を出ていった。


< 82 / 98 >

この作品をシェア

pagetop