未来へのボール*FALL*
――――…。
また、目の前の場所が変わった。
ここは…?
《ダンッダンッ》
《キュッキュッ》
「「「「キャーッ!!」」」」
「「「「いっけぇーーっ!!」」」」
この音。歓声。
ここ…試合会場だ。
それも、あの。
中学最後の試合をした所だ。
「ラルッ!!」
「んっ。」
あたしはランからパスを受け取り、
ボールをゴールに向かって投げた。
《パサッ…》
ボールは何の突っ掛かりも無く、
綺麗な放物線を描いて
ネットを通過した。
「「「「ワーーーーッ!!!!」」」」
……凄い歓声。
試合をしてると全然気付かないけど、
試合中って、
こんなに大きな歓声が上がってたんだ。
「ラルー!ナイッシュー!!」
アヤメ。
「ラル愛してるぅ♪」
ラン。
「次も行くよ。」
スイ。
「さすがラル!」
ミナ。
皆…今より幼いのかな。
アヤメとミナは会ったけど…
スイとランにはまだ会ってないなぁ。
《ピーーーッ!!》
前半終了の合図。
………運命の、時。