未来へのボール*FALL*
「……っ…。」
そこから、記憶が無い。
その後、あたしの中に浮かんでくるのは
絶望に満ちた病院での光景だけだ。
……久々に、こんなに鮮明に
思い出したなぁ、と思う。
それと同時に、あの時からずっと、
ずっと抱いている不安も蘇ってくる。
「………………ライ…っ。」
父と母を亡くしたあたしにとって、
唯一無二の、あたしの家族。
彼はまだ、
今あたしの座っているベッドと同じ
白いシーツの上に横たわっている。
……あなたは、いつ起きるの。