未来へのボール*FALL*
「今日も凄かったぁ。愚痴。
ね、マリ?」
いじめについて、あたしは
暗く考えるのを辞めていた。
悲しいのは自分だし、
マリもこんな感じでいつも
誤魔化してくれていたから。
ナホ達のことは、受け流す。
それが一番楽な方法なんだ、と。
マリが教えてくれたのだ。
「……そうだね。」
今日はいつものように、
明るい返事が返ってこなかった。
「マリ?どうしたの?」
いつもよりも、凄くマリは暗かった。
いつも明るく振る舞うマリを
あたしは何年も見てきたから、
あたしはとても心配だった。
「……ラル。あの…ね。」
「…うん?」
「私…施設から出るの…。」
「……………………え?」
心臓が、止まるかと思った。