未来へのボール*FALL*
困ったように眉を潜めるマリ。
「……あと…一ヶ月くらいかな。」
「……そう。」
一ヶ月。なんて短い。
あたしは、あと一ヶ月で1人になる。
孤独に、なる。
「…マリ。マリの家族になる人って
どんな人なの?」
空気が重くならないよう、
あたしは必死で笑顔を作る。
「あ、うん。えっと…。」
それからあたしとマリは
マリの新しい家族について話ながら
学校へ向かった。
その日もいつもと同じ。
暴言をさんざん吐かれ、
道具をさんざん汚された。
でも、やっぱりマリが怒ってくれた。
マリが居なくなったら、
あたしは一体どうなるんだろう。
マリの細い背中を見つめながら
あたしはそんなことを考えていた。