未来へのボール*FALL*
………あれ。
なんだろう。違和感を感じる。
…水が、雨が当たらなくなった。
止んだんだろうか。
《ザァァァ…》
いや、まだ降ってる。じゃあ何で?
膝を抱え込み、
頭を伏せている状態のあたしは
何で自分に雨が当たらないのかは
分からなかった。
この声を、聞く瞬間までは。
「……何してんの。」
……?
今の、誰の声??
綺麗な声だった。少し幼かったけど。
「……ねぇ。何してんの。」
………誰に話し掛けてる?
「あたしは、あなたに聞いてるんだよ。
ここにはあなたとあたししか居ない。」
「………ぇ……。」
あなたとあたししか居ない。
と言われて、思わず顔を上げる。
目の前には…青いジャージ?
それは明らかに濡れていた。
「やっと、顔あげた。」
澄んだ、ソプラノの声。
それは上から聞こえる。